信号無視をして警察に捕まった。これって前科になるの?行政罰って何?わかりやすく説明していきます

「信号無視をして警察に捕まったら、前科になったりするの?」。車を運転する人なら一度は疑問に思ったことがあると思います。この記事では、信号無視など軽微な違反に限定して説明していきます。人を傷つけてしまった場合などは全く別物になりますので注意してください。

(1)行政罰と刑事罰の違い

車を運転中に信号無視で捕まったりした場合と、殺人・放火・窃盗で捕まる場合とでは意味合いが全く異なります。殺人などで捕まることは刑事罰に当たり、倫理的にも社会的にも許される行為ではありません。一方、信号無視で捕まることは行政罰に当たり、国民の安全を守るためのルールに違反したことになります。そのため倫理的には許されますが、社会的には許されない行為となります。語弊があるかもしれませんが、「ついやってしまった」で許される軽微な交通違反に科される行政罰に当たります。赤信号無視の場合は、罰金9,000円と2点の減点の行政罰となりますが、前科がつくことはありません。

(2)行政罰をもう少し詳しく

行政罰とは、国民が行政上の義務に違反した場合に、制裁として科される罰のことをいいます。行政罰は、「行政刑罰」と「秩序罰」という2つの種類があります。

①行政刑罰

行政刑罰とは、行政上の義務違反に対し科される、刑法に刑名のある刑罰を裁判所が科すものをいいます。つまりどの行為が犯罪で、その犯罪に対してどのような刑が科されるか法律で定めておかなければなりません。これを罪刑法定主義といいます。この考え方がないと、王様のその時の気分で犯罪や刑罰が変わるという状況になります。刑罰には懲役、罰金などがあります。行政刑罰の具体例は、上記の信号無視やシートベルトの着用義務違反、相続登記の申請の義務違反などがあります。

②秩序罰

秩序罰とは、行政上の軽微な義務違反に対して、犯罪とまではされずに科される罰則のことをいいます。秩序罰として挙げられるのは、「過料」のみです。「過料」は刑罰ではなく、あくまで行政上の罰則で自治体できめたルールに違反することです。秩序罰は、行政刑罰でないため刑法の適用はなく、裁判所ではなく自治体の長によって科されます。秩序罰の具体例は、喫煙禁止地区での喫煙があります。二俣川駅周辺の決められた地区でたばこを吸った場合は、2,000円の過料となります。

(3)まとめ

信号無視しても罰金9,000円と2点の減点の行政刑罰となりますが、前科になることはありません。罰といっても「刑事罰」「行政刑罰」「秩序罰」と分かれており、倫理的・社会的に許されるかどうかで罰が決まります。罰というと「刑事罰」のイメージが強いですが、他にも種類があることを理解しておいてください。。

このブログは「わかりやすく」をモットーとしています。厳密にいうと例外もありますが、例外を記載していくと分かりづらくなるため書いていません。詳細を確認したい方はこちらから当事務所までご連絡ください。