新規で建設業許可を取りたいんだけどどうすればいいの?申請書作成で不明点が発生した場合や申請書提出の流れについてわかりやすく説明します

建設業許可に関する記事一覧
  1_建設業許可とはいったいどのようなものか
  2-1_建設業許可の条件がいったいどのようなものか
  2-2_「経営業務の管理責任者がいること」について
  2_3「専任の技術者がいること」について
  3_申請に係る書類と時間、費用について
  4_準備する資料等について
  5_申請書作成で不明点が発生した場合や申請書提出の流れについて
  7_無事許可がおりた後に必要な手続きについて

前回の記事で、建設業許可を自分で取得する際に準備する資料等について説明しました。この記事では、申請書作成で不明点が発生した場合や申請書提出の流れについてわかりやすく説明します。

(1)建設業許可の申請手続きの流れ

建設業許可を知事の許可でとる場合は、都道府県ごとに全然違うということはないのですが少しずつ条件が異なります。ここからは当事務所がある神奈川県を基準に説明していきます。

①申請書等作成について

申請書等の作成については、基本は神奈川県の手引きに従って作成していきます。「行政の手引きだからわかりにくいのでは?」と思われるかもしれませんが、私が事務所開業直後に初めて建設業許可申請を行った際は、県の手引きを熟読して不明点を2、3点電話で県に問い合わせて問題なく作成できました。こう言っては失礼ですが手引きは結構わかりやすいですし、問い合わせ電話にも非常に丁寧に対応してくれます。しかし財務諸表だけは別です。というのも県の手引きはある程度の簿記の知識がある前提で説明されているため、そもそも簿記の知識がないと理解できない可能性が高いと思います。やはり財務諸表だけは税理士に依頼するのが賢明だと思います。

なお申請書類等に虚偽の記載をするなど、不正手段により許可を受けた場合、法律に基づき取消処分の対象となります。また6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金と罰則も定められています。さらにこのことは許可の条件である「欠格要件等に該当しないこと」の条件に当たりますので、取消処分を受けた場合は5年が経過しないと建設業許可を申請できません。

②申請書等提出(受付時審査)について

申請書等を提出する方法は3通りあります。1つ目は「窓口での対面受付」、2つ目は「郵送」、3つ目は「窓口での申請書類等預かり」になります。初めて申請を行う場合は、「窓口での対面受付」をおすすめします。申請書等の提出といっても、書類を持参して行政がただ受け取るわけではありません。受付時審査というものがあり、ほぼすべての書類を一回チェックされます。初めての申請で一発でパスすることはほぼないと言っていいです。受付時審査で指摘された不備を修正してまた後日提出に向かうことになります。

郵送で提出した場合は、不備があった場合のやり取りが煩雑になるのと、万が一条件を勘違いしていてクリアできない場合でも申請費用の9万円が返ってこなくなります。その点、窓口で申請した場合は受理されるまで申請費用は支払わないので返還されないリスクはなくなります。窓口申請の一番のデメリットは、神奈川県に窓口が横浜駅のかながわ県民センターの1ヶ所しかないことです。県西に住んでいる方が、何度も横浜駅まで足を運ぶのは時間がかかりすぎます。事前に行政に電話で確認をしたうえでなるべく書類に補正が発生しないようにしてから申請書等を提出しましょう。

申請書等が行政に受理された後、表紙に役所の受付印が押されます。急ぎで許可を求めれている方で、取引先から申請している証拠が欲しいと言われた場合は、この押印された表紙をみせてください。

③審査~許可について

神奈川県では新規申請の審査におおむね50日かかります。混雑具合によっては60日前後になる場合もあります。個別に申請書を審査していく中で、受付で指摘のなかった補正や、内容に疑問が生じた場合は、別途資料等の提出を求められる場合があります。その場合はさらに審査に時間がかかることになります。別途資料等を提出しても、条件をクリアできない場合は許可申請に対して拒否処分となることもあります。拒否処分となった場合でも、申請費用の9万円は返却されません。条件をクリアしたことを証明できていれば、晴れて許可となります。

④許可通知書等の送付(郵送)について

晴れて許可になった場合は、許可通知書および許可申請書の写しが行政から郵送されます。なお許可通知書は再交付されません。提出書類は基本的に行政に提出用と自分の手元においておくようの副本(写し)を作成します。この副本は、以降の申請や届け出の際に行政の窓口で提示する必要があるので、紛失しないようにしてください。

(2)まとめ

申請書等を提出する際は、行政はただ受け取るわけではなく細かいチェックが入ります。その際、不備があると補正を求められるため許可までの時間がさらにかかることになります。事前に行政に確認しつつ書類を作成していく必要があります。

このブログは「わかりやすく」をモットーとしています。厳密にいうと例外もありますが、例外を記載していくと分かりづらくなるため書いていません。詳細を確認したい方やご相談はこちらから当事務所までご連絡ください。