電気料金の値上げって簡単にできるの?わかりやすく説明していきます

はごろもフーズのシーチキンも値上げとインスタント食品、加工品、乳製品、乾物、調味料、菓子、飲料とあらゆるものが値上げラッシュとなっており、家計の財布が悲鳴を上げている昨今。

中国電力が記者会見で「昨今の価格高騰による影響は桁違いで、企業努力で対応できる限界を大きく超えてしまっている。当社としては値上げの検討に着手する」と話し、値上げの幅や時期などを今後検討するということです。値上げになった場合は、大手他社にも波及する可能性が高く、全国の電気代が値上げする可能性があります。電気料金の値上げはどのように決まるかをわかりやすく説明していきます。

(1)電気料金ってどうやって決めているの?

電力、ガス・水道・交通・通信などの公共インフラは、ほぼすべての人の生活に欠くことのできない必需品です。水道や一部の交通(横浜市営地下鉄など)は行政が運営していますが、多くの公共インフラは民間の企業が担っています。電力については、東京電力や関西電力、今回値上げを検討している中国電力などといった民間の事業者です。民間の事業者が、自社の利益をあげるために勝手に料金をあげることは、私たちの生活に直接影響があるため一部が規制されています。

大手電力の料金プランは2016年の電力小売りの全面自由化以降は、自由料金と規制料金の2つに分かれています。図は難しい単語が並んでいますが、簡単に説明しますと、自由料金は電力会社が料金体系を自由に決められる一方、規制料金は、値上げする場合、国の承認を受ける必要があるということです。規制料金を上げるには、ただ利益を増やしたいからという理由ではできなく、コスト削減の状況など電力会社の経営努力が厳しく審査され国が承認する必要があります。つまり電力会社にとっては、「これだけ頑張りましたが経営が非常に厳しいので値上げさせてください」と国にお願いして値上げを認めてもらうという「最終手段」でもあります。

(2)各社の経営状況は?

今年2月に発生したウクライナ危機などによって燃料価格が上がっていますが、電気料金にすぐに反映できないことなどから、中国電力の来期は、過去最大の1390億円の赤字に上る見通しです。他の大手電力も状況は厳しく、22年4ー6月の3ヶ月のみの決算では、大手電力会社10社のうち、中部電力、四国電力、北海道電力を除く7社の純損益が赤字となりました。赤字額は合計で1900億円近くに上っており、赤字額が最も大きかったのは東京電力HDで670億となっています。そのため他の電力会社も値上げを検討する可能性が高いと思われます。

(3)まとめ

電気料金の一部については、値上げするには国に認めてもらう必要があり、簡単には値上げすることはできません。都市ガス料金、鉄道運賃、乗合バス運賃、高速道路料金なども同様で、値上げするには国に認めてもらう必要があります。

短期で終わることに願っていたウクライナ問題の長期化と終結への道筋が不透明なので、電気料金が値上げする可能性があります。さらに家計の財布の負担が増えるかもしれません。この冬の電力不足問題もありますので、今年の冬はエアコンをなるべく使わずに、厚着ですごす日々になるかもしれません。