ネットニュースにでていたエンディングノートとはどういったもの?わかりやすく説明していきます

先日放送された「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)で、お笑いコンビ「アンガールズ」の田中卓志さんが母の死を告白、エンディングノートが公開され大きな反響がでています。「明日、地球消滅するとしたら誰に会いたい?」では「子供たち」と記されていて、家族への思いがあふれたものでした。視聴者の涙を誘ったエンディングノートについてわかりやすく説明していきます。

(1)「エンディングノート」とは

「エンディングノート」と聞くと、「死」をイメージする方が多いと思います。「調子が悪くなってから書けばいいんでしょう?」とお考えの方が多いです。「エンディングノート」の本来の役割は、これまでの人生を振り返り、これからの人生をどう歩んでいきたいか自分の思いを記すものです。

仕事などでも業務が集中したときに、やることリストに書き出して優先順位などを明確にするように、書くということを通じて自分の頭の中を整理したことはありませんか?

「エンディングノート」は1回書いて終わりではありません。書く段階で今までの人生を振り返り、年月が経って気持ちが変わったときは書き直すことができます。年齢を問わず、その時の気持ちを文字にするため、「エンディングノート」は高齢者だけのものではありません。

(2)「エンディングノート」と「遺言書」との違いは?

「エンディングノート」と「遺言書」の決定的な違いは、法定効力があるかないかです。いずれも遺産相続などについて希望を書くことはできますが、「遺言書」には法的に強制力があり、「エンディングノート」には法的な強制力はありません。「遺言書」がなければ、いくら「エンディングノート」に希望を書いていても100%かなえられるとは言えません。

書ける内容についても違いがあります。「遺言書」に書くことができるのは基本「死後」に関してのみで、範囲なども厳格に決められています。一方、「エンディングノート」は、強制力がないながらも遺産相続などについて希望を書けますし、「生きている間」のことつまり介護が必要になったときにどのようにしてほしいかなども書けます。しかし残された家族がもめる基になることは書かない方が賢明です。

(3)「エンディングノート」を書くメリットは?

「エンディングノート」は「遺言書」のように決められた事柄だけでなく、自由に自分の意志や希望を書き留めることができます。

①自分の思いを託す、最後のメッセージ

自分の年表、大切な思い出、好きなもの、楽しい時間、大切なものを書き出すことによって、家族も知らなかったことや思い出を共有することができ、残された家族への最後のメッセージになります。

②自分の資産状況がわかる

自分の財産を正確に書くことは「エンディングノート」の大切な作業です。「エンディングノート」に書くことで、現在の経済状況を把握できるので、人生の終末期をどのように過ごすのかを考え、準備するのに便利です。前回の記事で説明しましたが、介護が必要になった場合も、施設で介護を受けるなど様々な選択肢があります。自分の資産状況で希望する介護を検討することができます。

③自分の希望を伝える

判断能力が低下した場合の対応方法、余命の告知の有無、人生の最期を過ごしたい場所なども「エンディングノート」に書くことができます。ここが「遺言書」との大きな違いになります。自分の様々な希望を書いて、自分らしい人生を生きることの手助けになってくれます。

④今後の人生と向き合える

自分の歩んできた道のりを振り返ったり、財産を記入するだけが「エンディングノート」ではありません。これからの生活について書く欄もある「エンディングノート」もあります。今までやりたくてもできなかったこと、新たにチャレンジしたいことを書くことによって、より良い人生を歩むことができます。

(4)まとめ

横浜市旭区のHPから引用

「エンディングノート」とは、死のためではなく、これまでの人生を振り返り、これからの人生をどう歩んでいきたいか自分の思いを記すものです。まだ先の話だからと後回しにしている人も多いと思います。しかし生きている限り何がおこっても不思議ではないため、早めに書き始め、考えが変わったり環境が変化した際は更新していくことをおすすめします。

横浜市では各区ごとに「エンディングノート」が用意されています。横浜市旭区の「エンディングノート」はこちらから無料でダウンロードできます。まずはペンを手に取ってみてはいかがですか。