年金をプラスで100万円払う?年金を追加で5年払うの?年金納付5年延長についてわかりやすく説明します

総務省が28日発表した10月の東京都区部の消費者物価指数の伸び率が40年4ヶ月ぶりの大きさになったと発表しました。みなさんも昨今の日用品の値上げラッシュで実感があると思いますが、なんせ40年ぶりの伸び率です。当事務所は新電力サービスを契約していますが、今朝値上げを予告するメールが届いていました。何もかもが値上げの中、さらに年金の保険料を納める期間を5年延長する案の議論が始まりました。年金納付5年延長についてわかりやすく説明します。

(1)年金とは

公的年金には「老齢年金」「遺族年金」「障害年金」の3種類があります。「老齢年金」は長生きに備えたもの、「遺族年金」は家族の死亡時に備えたもの、「障害年金」は障害状態になってしまったときに備えたものです。

まずは公的年金制度の仕組みについて説明します。公的年金制度は簡単に言うと2階建てになっています。自営業や学生、無職の場合は「第1号被保険者」、民間企業の会社員や公務員の場合「第2号被保険者」、民間企業の会社員や公務員の配偶者など第2号被保険者の扶養に入っている場合は、「第3号被保険者」となります。ずっと同じ区分の人もいれば、たとえば大学卒業までは第1号被保険者、卒業後就職し第2号被保険者になり、結婚して子どもが生まれ主婦となり夫の扶養に入ったという場合は第3号被保険者になる、と変わる場合もあります。

(2)年金納付5年延長とは

現在は、1階部分にあたる国民年金は国内に住む20~59歳のすべての人が加入しており、原則40年間保険料を支払います。国民年金の保険料は現在、月1万6590円。今回の検討案は原則40年の支払期間を5年延長し45年にするというものです。現在の保険料で計算すると、月1万6590円×12ヶ月×5年=約100万円の負担増となります。このゴールを変更する案は3年後の2025年から始めることを目指しています。

(3)で年金はいくらもらるのか?

現在の年金額は40年間保険料を満額納めた人で月6万4816円と生活していくのには難しい水準ですが、何も手を打たないと少子高齢化の影響で今後さらに下がる見込みとなっています。今回の検討案の通り5年間納付を延長すると単純計算で月約7万3000円に増える見込みです。

しかし年金額は、物価の上昇とともに金額があがるものではありません。具体的には今100円のパンが来年200円と倍になった場合は、年金額も倍にならないと生活していけませんが年金額は倍にはなりません。これをマクロ経済スライドといいます。なお国民年金は65歳から受け取れますが、だいたい75歳まで生きると元が取れると言われています。

(4)まとめ

SNS上でも悲鳴が上がっている年金納付5年延長案。100万円の負担増はかなり厳しいです。現役世代は、老後のプランを立てるときには、今後も年金額が増える可能性を踏まえた固めの額を算出しておきましょう。

このブログは「わかりやすく」をモットーとしています。厳密にいうと例外もありますが、例外を記載していくと分かりづらくなるため書いていません。詳細を確認したい方はこちらから当事務所までご連絡ください。