相続が発生したら、何をどこでいつまでに手続きをすればいいの?遺産分割協議についてわかりやすく説明します

相続手続きに関する記事一覧
  1_相続手続きの全体について
  2_まずは一番初めにしなければならないことについて
  3_7日以内に提出が必要な死亡診断書、死亡届、火葬許可証と埋葬許可証について
  4_14日以内に提出が必要な健康保険・介護保険の喪失手続きについて
  5_14日以内に提出が必要な世帯主の変更届について
  6_公共料金等の変更・解約について
  7_遺言書の有無の確認について
  8_相続人調査について
  9_相続放棄・限定承認について
  10_財産調査について
  11_所得税の準確定申告について

前回の記事では、所得税の準確定申告について説明しました。この記事では、遺産分割協議についてわかりやすく説明します。

(1)遺産分割協議の基本について

遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。行方不明者や未成年、認知症の方なども、相続人である以上は関与する必要があります。これらの方については不在者財産管理人、親権者または特別代理人、成年後見人などが本人の代わりに遺産分割協議に参加します。

上記図のような場合、相続人は配偶者と未成年の子2人になるので、3人で協議する必要があります。この時に配偶者が子の親権者として認められるとしたら、配偶者は子の意志に関係なく好きに財産を取得できてしまいます。そのため、このような場合は親権者に代わって子の代理人となる特別代理人をたてる必要があるので注意しましょう。

なお相続人のうち1人でも協議に参加していない方がいる場合、その遺産分割協議は無効になります。

(2)遺産分割の方法について

遺産の分け方については、代表的な方法は下記の4つになります。

①現物分割

1人が不動産、1人が株式、1人が預金、というように遺産を現物のまま分割する方法になります。

②代償分割

1人が不動産を相続する代償として、その他2人の相続人に代償金を支払うというような方法になります。

③換価分割

不動産などの遺産を売却して、その代金を分割する方法になります。

④共有分割

不動産を3人で共有する方法になります。

(3)遺産分割のルールについて

亡くなった人の財産を相続する場合、各相続人の取り分として法律上定められた割合を法定相続分といいます。また相続人に保障される最低限の遺産取得割合を遺留分といいます。しかしこれらはあくまで目安となっており、強制力はありません。相続人全員が合意すれば、例えば1人がすべての財産を相続するとしても問題はありません。

(4)遺産分割協議書の作成について

法務局のHPより引用

成立した遺産分割協議によって金融機関の口座解約などの具体的な相続手続きを行うには、遺産分割協議書の作成が必要になります。遺産分割協議書には協議の内容を書き、相続人全員が実印で押印し、印鑑登録証明書を添付します。誰が、相続財産のうち何を、どのように取得するかを明確に特定することが必要です。

(5)まとめ

遺産分割協議は相続人全員で行う必要があり、分割のルールについて目安があるものの、相続人全員が合意すればどのような形式で分割しても問題ありません。協議が成立したら遺産分割協議書を作成し、金融機関の口座解約などの具体的な相続手続きを行いましょう。

このブログは「わかりやすく」をモットーとしています。厳密にいうと例外もありますが、例外を記載していくと分かりづらくなるため書いていません。詳細を確認したい方やご相談はこちらから当事務所までご連絡ください。